問い合わせを減らす方法は「公式サイト」にある
「問い合わせ対応って、どうしてこんなに時間がかかるんだろう……」
イベントの運営に携わったことがある方なら、一度はこう思ったことがあるのではないでしょうか。
現場の感覚では、寄せられる問い合わせのうち6〜7割は「すでに一度は回答したことのある内容」です。どれも大切な質問ですが、対応を積み上げると1日数時間に及ぶこともあります。
そんなとき、頼りになるのが公式サイトの整備です。
ポイントは「必要な情報を整理して、すべて載せる」こと。
それだけでも同じ問い合わせは驚くほど減り、事務局の対応は格段に効率化されます。
目次
- イベント事務局にありがちな“問い合わせ対応の落とし穴”
- イベント公式サイトは、参加者が不安を解消する“最後の砦”
- イベント公式サイトのFAQ整備で、問い合わせ対応を効率化しよう
- 《参考》イベント公式サイトに載せておきたい項目チェックリスト
- 管理者にできる3つのサポート
- 面倒でも、公式サイトに「全部載せる」価値
- まとめ
イベント事務局にありがちな“問い合わせ対応の落とし穴”
イベント事務局では、日々多くの問い合わせに対応しています。
「開始時間は?」「アクセスは?」「資料はどこで見られますか?」――どれも似た内容です。
答えること自体は難しくありません。
けれど、同じ対応を繰り返すうちに、スタッフの時間も気力も少しずつ削られていきます。
その中には、本来じっくり向き合うべき特別な問い合わせも混ざっています。
そして、こうした“問い合わせの多さ”の原因の多くは、公式サイトに必要な情報が十分に載っていないことにあります。
イベント公式サイトは、参加者が不安を解消する“最後の砦”
問い合わせの多くは、参加者が「どこに答えがあるのか分からない」ことから生まれます。
SNSやポスター、広報誌など、イベントを知るきっかけはさまざまです。
しかし、それらは一度流れると探しにくく、情報量にも限りがあります。
一方で公式サイトは「必要になったときに、もう一度見に行ける場所」。
申し込みや持ち物確認など、参加者が実際に行動に移すときに向かう場所であり、
“ここに答えがあるはず”と信頼してアクセスします。
つまり、公式サイトは参加者が自力で不安を解消できる場なのです。
もしそこに情報が足りなければ、参加者は迷い、問い合わせという形で事務局に戻ってきます。
だからこそ、「どこに載せるか迷う情報こそ、公式サイトに載せておく」ことが大切です。
実際、ある国際イベントでも、SNSを通じて多くの方に関心を持ってもらえました。
けれど、問い合わせの多くは最終的に公式サイトを見た後に届くものでした。
「SNSを見て〜」という前置きの後には、
「公式サイトを確認したけれど分からなかった」「もう少し詳しく知りたい」という声が続くのです。
この動線を見ても分かる通り、参加者が最終的に頼りにするのは“公式サイト”です。
つまり、ここに必要な情報を整理しておくことこそが、問い合わせを減らす最も効果的な手段なのです。
では、実際にどのように公式サイトを整えていけばよいのでしょうか。
すぐに始められる方法のひとつが、「よくある質問(FAQ)」の整備です。
イベント公式サイトのFAQ整備で、問い合わせ対応を効率化しよう
完璧を目指さなくても構いません。
まずは、これまでによく寄せられた質問を振り返り、どんな問い合わせが多いのかを
書き出してみましょう。
- 会場のアクセスや駐車場は?
- 当日の受付方法は?
- 資料はどこで入手できますか?
- お昼ごはんを取れる場所はありますか?
このような「よくある質問」をFAQにまとめるだけでも、効果は十分です。
問い合わせが減ることで、スタッフが本来の運営業務に専念でき、参加者対応の質も上がります。
結果として、ミスや連絡漏れも減り、イベント全体の信頼度が高まります。
《参考》イベント公式サイトに載せておきたい項目チェックリスト
以下は、イベント公式サイトを整える際に「まず押さえておきたい」主な項目です。
「これさえあれば困らない」という状態を、ページ全体で作ることを意識しましょう。
- 基本情報
• 開催概要(名称/日時/会場/対象/参加費など)
• アクセス(公共交通・駐車場・バリアフリー動線)
• タイムテーブル・プログラム(登壇者情報・見どころ)
- 参加・運営に関する情報
• 参加方法(申込手順/当日受付の流れ/持ち物)
• オンライン配信(視聴方法・動作確認案内)
• 多言語・アクセシビリティ(字幕・手話・授乳室など)
• 注意事項(撮影可否/再入場/飲食)
• FAQ(開始時間・アクセス・キャンセルなど)
-
サポート・運営体制
• 緊急時の案内(中止判断・通知方法)
• 問い合わせ先(メール・電話・対応時間)
• 運営情報(主催・協賛・著作権表記)
このように「一括で確認できるページ」を作ると、問い合わせ削減効果は即日で体感できます。
制作会社に依頼する場合も、これをベースに「この項目は必ず掲載を」と具体的に伝えることで、情報が整理され、更新しやすく、参加者にも優しい“使える公式サイト”に仕上がります。
イベント公式サイト整備を支える、管理者の3つのサポート
事務局の効率化は、現場任せでは実現しません。
管理者層が「公式サイトに情報を集約しよう」と方針を打ち出すことで、現場が動きやすくなります。
- 情報整理の時間をスケジュールに確保する
→情報更新を”業務として確保する”ことで、後回しにならず継続的に改善できます - FAQ作成を担当者に任せ、内容確認をサポートする
→管理者が方向性を確認することで、「判断が止まる」ボトルネックを防げます - お問い合わせフォームに「まずは公式サイトをご確認ください」と明記する
→一文を加えるだけでも、問い合わせ件数を抑制でき、参加者が自力で解決しやすくなります
この3つを意識するだけでも、次回のイベント準備はぐっとスムーズになり、
問い合わせ対応の負担も大きく減ります。
面倒でも、公式サイトに「全部載せる」価値
公式サイトに情報をすべて載せるのは、正直に言えば手間がかかります。
ページを作り、内容を整理し、更新を依頼する——一見すると作業量は膨大です。
しかし、その“面倒さ”は確実に回収できます。
一度整えておけば、次回以降のイベントでも同じ仕組みを再利用でき、
長期的に見れば大きな効率化につながります。
- 問い合わせ数が減り、スタッフの負担が軽くなる
- 情報が一元化され、誤解やトラブルを防げる
- 制作会社への指示が明確になり、サイトの質が上がる
- スタッフの稼働時間を本来の業務に回せる
- 「見えない人件費削減の投資」であり、組織全体の生産性を高める基盤になる
つまり、イベント公式サイトは “問い合わせ削減装置” です。
情報を整えることで、誰もが余裕を持って仕事に取り組めるようになります。
その結果、スタッフのストレスを減らし、参加者に安心を与え、イベント全体の質を引き上げます。
まとめ:公式サイトは「効率化」と「安心」を両立させる最強ツール
公式サイトに情報をすべて載せることは、一見地味で手間のかかる作業に見えます。
けれど、それこそがイベントを成功に導くための“大切な仕込み”です。
参加者にとっては「必要な情報がすべて揃っている」という安心感。
事務局にとっては「問い合わせ対応という隠れコストを減らせる」効率化。
面倒でも、公式サイトに情報を全部載せておくこと。
それは事務局を助けるだけでなく、参加者に安心を届ける行動でもあります。
一度整えておけば、次のイベントは驚くほどスムーズに進みます。
今日から、その一歩を踏み出してみましょう。