イベント事務局業務あるある10選:毎年恒例のバタバタから見えるヒント
イベント運営の現場では、「今年もなんとか乗り切れたね」という言葉が合言葉のように飛び交います。
どの現場にもある“ちょっとした混乱”や“毎年恒例のバタバタ”。
今回は、そんなイベント事務局の業務で起きがちな「あるある」を10個ピックアップしました。
みなさまの現場はいかがでしょうか。
「うちもこれあるな…」と感じる“あるある”がいくつ見つかるでしょうか。
ぜひ数えてみてください。
1. 「去年のデータがあるから」「前回と同じでいいよ」で始まるのに、結局前回の資料が見つからない。
「去年のフォルダに全部あるはず」と言われて開いてみたら、途中で名前の変わったファイルがいくつも。なんなら「あるから大丈夫」と言われた資料がまったく見当たらないことも。
そうして探しているうちに、会議の時間がやってくる――。
解決のヒント:
過去データの活用は、整理されていて初めて力を発揮します。
「型を踏襲する」のと「探しながら真似る」は、似て非なる作業です。
2. 担当が変わるたび、フォルダやファイル名のルールがリセットされる。
「前任者の命名ルールが独特」「フォルダが深すぎて迷子になる」。
担当者が変わるたびに文化が変わると、せっかくの蓄積がリセットされます。
特にイベントは、企画・運営・会計・広報・制作物・報告書といった複数業務が同時進行。
それぞれにフォルダがどんどん増えていき、気づけば“鬼のような階層構造”に。
解決のヒント:
ファイル共有や情報整理のルール化を1つ決めるだけでも、チームの作業効率は驚くほど変わります。
“引き継げる仕組み”が、事務局の財産です。
3. 「○○さんが一番詳しい」状態が常態化している。
「それは○○さんに聞かないと分からない」――この言葉、どこかで聞いたことがあるのでは。
知識が人に偏ると、休暇や異動のたびに現場が止まってしまいます。
解決のヒント:
属人化は努力の証でもありますが、ナレッジ(知識や経験の共有)に変えることで初めて次へ引き継がれます。
“頼れる人”の中にある情報を、チームの力に。
4. メールが多すぎて、最新情報がわからない。
スレッドが長くなりすぎて、同じ件名でも途中で話題が変わっている。
別のメールでも同じ内容の話が進んでいる。
結局「この内容はどこまで進んだのか」「どのバージョンの資料が最終か」が誰にも分からない。
イベント運営における情報共有の課題としてよくある光景です。
解決のヒント:
重要な情報ほど、ExcelやTeamsなどの“見える場所”に残すだけで、混乱は大幅に減ります。
5. 問い合わせ対応、思った以上に時間がかかる。
「この問い合わせ、前にも来てなかった?」
似たような問い合わせのはずなのに、なぜか回答するのに時間がかかる。
解決のヒント:
問い合わせ対応はナレッジ(知識)共有の宝庫です。
履歴をシートにまとめるだけで、次回は“コスト”ではなく“資産”になります。
情報整理とナレッジ管理が、効率的な事務局運営の鍵です。
6. 重要なメールが個人アドレスにしか届かない。
「これ、私にしか届いてないじゃん」――。
チームのアドレスがあるのに、なぜか自分だけにメールが届いている。
イベント運営に限らず、仕事の現場でよくある光景かもしれません。
忙しい時期ほど、確認漏れが致命的になります。
「代表アドレスに転送しておけばよかった…」と反省することもしばしば。
解決のヒント:
仮に自分が対応する内容でも、“チームで処理できる形”に整えておくことが大切です。
役割分担と情報共有の仕組みづくりは、リスク管理の第一歩です。
7. 定例会議が“情報交換”で終わり、“意思決定”に至らない。
たくさん話したのに、結論が出ない。
気づけば次の会議でまた同じ議題――。
「共有」と「決定」は、似ていて違う目的を持っています。
解決のヒント:
会議を行う際は、目的を明確にすること。
そして、次のアクション・担当者・期限をその場で決めること。
それだけで、会議は“報告の場”から“前進の場”に変わります。
8. 関係者が多すぎて、全体を把握する人がいない。
イベントは、たくさんの関係者が携わってつくりあげるもの。
各部署や協力会社はその分野に一番詳しいといってもいいでしょう。
それぞれが自分の担当領域を整える一方で、全体進行が“誰の頭にもない”まま進むケースがあります。
解決のヒント:
準備はどんどん整っていくのに、つなぎ合わせる人がいない。
“全体を見渡す1人”を置くだけで、現場の混乱は格段に減ります。
情報整理と役割分担の明確化が、イベント事務局の円滑な運営を支えます。
9. 「去年も大丈夫だったから」と、想定外リスクの見直しが後回しにされる。
成功体験が安心感を生む一方で、同じ方法が通用しない年もあります。
気候、感染症、参加方法――どれも“前例”が効かなくなる時代。
解決のヒント:
イベントリスク管理や安全対策の見直しも、日常業務の延長で考えることが大切です。
「例年通り」で進める安心より、「今年に合わせて見直す」安心を選びたいものです。
10. ファイル名「最新版_最終_確定_修正版(2).xlsx」を開いて後悔する。
見ただけで思わず苦笑してしまう、事務局の名物ファイル名。
どのフォルダにも“最新版らしき”ものが並び、開くたびに違う中身。
つくった本人も、もうどれが本当の最新版かわからない。
解決のヒント:
ファイル管理とバージョン管理のルール化を決めるだけで、作業のムダは劇的に減ります。
命名ルールを整えることは、チームの時間を取り戻すこと。
おわりに
どの「あるある」も、現場を支える人なら一度は経験のあることばかり。
日々の忙しさの中で、つい“仕方ない”と片づけてしまうことも多いですが、
その中には、次回を少し楽にするヒントが隠れています。
「あるある」と笑いながら読んでくださった方の中には、
「じゃあどうしたらいいんだろう?」と思われた方もいるかもしれません。
過去の記事では、そんな小さな疑問に応えるヒントもご紹介しています。
どの記事も、事務局の仕事を“少し楽に、効率よく”するための工夫をまとめています。
よかったら、そんな“知恵の棚”をのぞいてみてください。